「眠った感性を揺さぶる」──人間の可能性に火を灯すエンターテインメント集団

エンターテインメント部門

株式会社S.I.P.H Entertainment Japan 代表取締役 松本 匡史

多様なエンターテインメントがあふれる現代において、あえて「人」そのものにフォーカスした表現を追求し続ける会社がある。それが、テーマパークや商業施設でのライブショー制作を中心に幅広い企画・演出を手がける 株式会社S.I.P.H Entertainment Japan だ。代表の松本匡史氏は、「誰しもの中に眠っている感性を呼び起こしたい」と語る。彼が紡ぐ作品が“人にしか生み出せない魔法”にこだわる理由は、幼い頃に出会った物語、そして自身の人生で培った経験に基づいている。

原点はディズニー作品に宿る“幸福を届ける精神”

松本氏が幼少期に繰り返し観ていたのは、実家に並んでいた数多くのディズニー映画だった。ストーリーそのものはもちろん、作品から溢れ出すポジティブな空気に自然と魅了されていったという。

「気づいたら、いつも“幸せにする側”のマインドが自分の中に根付いていた。これが今の活動へとつながる最初のタネだったと思います」

やがて高校時代には芸能の専門通信に通い、演技・ダンスに没頭する日々へ。ただしその道を志すなかで、「表現者が評価され、正当な対価を得ることの難しさ」という日本特有の壁にも直面する。

松本氏は当時をこう振り返る。「日本のエンタメ業界は“教養”をベースにした構造が今も根強く、純粋にパフォーマンスだけで勝負できる場が少ない。価値観そのものを変えていかなければ、表現者は生きづらいままなんです」

この危機感こそが、後にS.I.P.Hを立ち上げる強い動機となった。

価値観を揺さぶったロサンゼルス留学と、23歳の起業

21歳で決意したロサンゼルスへの短期留学。街角には音楽やパフォーマンスが当たり前のように溢れ、人々が自由に自己表現を楽しんでいる。その光景は、松本氏にとって衝撃的だった。同時に、丁寧さや正確性といった日本人ならではの素晴らしさも改めて実感。「日本と海外、両方の良さを融合した新しいエンタメを生み出せるのではないか」という確信が芽生えたという。

帰国後はアルバイトと演者の仕事を掛け持ちしながら模索を続けていたが、働いていた店舗の閉店を機に、ついに腹を括る。「いつかやりたいではなく、今やるしかない」そうして23歳で起業し、S.I.P.H Entertainment Japan は産声を上げた。

今年で10年。波乱もあったが、松本氏が常に大切にしてきたものは変わらない。「関わる全ての人に“愛”をもって向き合うこと。それが作品にも空気にも必ず表れますから」。

クライアント、スタッフ、アーティスト、そして作品を観るゲスト。誰一人欠けてもエンターテインメントは成立しない。その思いが、同社の文化の中核をなしている。

10周年を迎え、新たな挑戦。「JAPAN PERFORMERS」から世界へ

同社が展開するプラットフォーム 「JAPAN PERFORMERS」 は、約2年前に立ち上げられた取り組みだ。日本全国のパフォーマーに向けてオーディション情報を届け、表現の機会と現場をつなぐ役割を担っている。現在では登録者数は4,000名を超え、着実に広がりを見せている。松本氏は、この取り組みを通じて、次のステージを見据えている。

「最終的には、ここから日本人アーティストを海外に届ける導線を作りたい。日本の表現者の価値が、もっと正当に評価される世界へつなげたいんです」

現在、同社が展開しているのが、心と脳を休める新感覚シアター 『ボ〜っとしあたー』 だ。「脳と心を休める時間こそ、現代に必要な贅沢である」という想いのもと、科学と芸術を融合させたリラックス体験を提供している。

シータ波を活かした光と音の演出や、生の芸術によるライブパフォーマンスを通じて、“何も考えない”という余白を生み出し、忙しい日常の中で自分自身に戻るひとときを届けている。

人の存在が生む“心の温度”。それこそが唯一無二のエンターテインメント

S.I.P.Hが手がけるエンターテインメントの中には、必ず「人」がいる。「ただの演出ではなく、人の存在そのものが空間に心を宿す。そして観る人の感情を揺らす。これがエンターテインメントの核心だと思っています」

どれだけテクノロジーが進化しても、人間が感じる“温度”“間”“心の震え”は、人間にしかつくれない。ご飯の美味しさに胸を躍らせたり、空の青さに心を動かされる──その瞬間こそが感性だ。

松本氏はこう続ける。

「自分自身の感性に気づき、その一瞬一瞬を味わえるようになれば、人生はもっと豊かになる。そしてその感動を誰かと共有できたら、世界は少しだけ優しくなると思うんです」

眠っている感性に光を当て、人が持つ可能性に火を灯す。S.I.P.H Entertainment Japan の挑戦は、これからも続く。

【企業情報】

株式会社S.I.P.H Entertainment Japan

本社住所:
〒151-0062 東京都渋谷区元代々木町2-4 代々木HRCビル7F
HP:
https://s-i-p-h.tokyo/
設立:
2014年
代表取締役:
松本 匡史